先生の笑顔が薬になることもあります

病気の母の看病疲れでか、何もしていないのに息苦しくなったり、なんだか体調が悪いなと思っていたある日、夜中に突然左胸が痛くなり動けなくなりました。

息をしたくても出来ない。

一時はこのままじゃ死んでしまうという恐怖に襲われましたが、どうにか息も戻りました。

次の日、一度医者に診てもらおうと思って総合病院に行きました。

何科にかかったら良いのかよく分からないので、受付の人に症状を話すと、とりあえず内科で診てもらってくださいとのことでした。

そして診察室に呼ばれましたが、先生は不自然にニコニコと笑って、私が症状を話すのを聞いていました。

私は心臓の検査や肺の検査をしたりするのかと思っていましたが、検査は全くしませんでした。

私の症状を聞いて、先生はすぐに病名を言いました。

過換気症候群ですよ。」

不安や恐怖、ストレスが原因で起きる症状ということでした。

息苦しいと思っていたのに、息を吸いすぎていると聞いてとても驚きました。

もしまた同じようなことが起きたら、ビニール袋を鼻と口にあててゆっくり呼吸すれば落ち着くから大丈夫だ、と教えてくれました。

「病気じゃないから大丈夫。」と笑顔で話してくれたので、とても安心しました。

気づくと先生だけでなくて周りにいる看護師さんたちもニコニコ笑っています。

そしてみんなで笑顔で診察室から出ていく私を見送ってくれました。

診察室から出ると不思議と気分が晴れて、今までの自分とは違うような感じがしました。

診察室で先生と看護師さんが必要以上に笑顔だったのでなんでかな?と思っていましたが、きっと先生は私の症状の原因が心にあるということを問診表を読んだ時点でわかってて、笑顔で安心させて明るい気持ちにさせようとしてくれたのかもしれません。